古くから議論されているテーマである『持ち家か賃貸か』について大家さん目線で考えてみます。
最近では少子高齢化と人口減少、自然災害やライフスタイルの変化などに着目して持ち家と賃貸の優劣が語られている記事を見かけますが、ひと昔前はサラリーマンの転勤と出世が主な論点になるなど時代により判断基準やその比重は移り変わっています。
先祖代々の大家さんと違い、リーマンショックのタイミングで不動産賃貸業に参入している私は、『どちらにころんでも大家さんは構わない』という結論至り大家さんの道を選びました。
さて、いくつか切り口をしぼってみて見ましょう。
基本は『大家さんは素晴らしい』という視点で書いていますのでご了承ください。
少子高齢化と人口減少が進むと一時的には世帯数≒住宅数はさほど減らず、増加するタイミングもあるでしょう。
しかし人口は着実に減るので最終的には世帯数≒住宅数も減少すると思います。
●その時人々はどう考えるか●
需要が減少するので住宅数が減少しない限り安くなる!・・・なら買おう!(持ち家派)
住宅の価値が下がるので負動産になっちゃう・・・賃貸が良い!(賃貸派)
物件が安くなるけど賃貸派に貸しても持ち家派に売ってもいいじゃん!・・・大家さん
自然災害が起こると住宅には深刻な影響がでます。
私も自宅が阪神大震災で半壊となり、叔父の家が全壊に遭いました。
洪水も別の親戚3軒が一度に床上浸水となり一族総出で応援に行った事もあります。
近年の台風は風だけでも建物が倒壊する威力で、復旧工事中に別の台風で更なる被害を被る事もあります。
●その時人々はどう考えるか●
そうは言っても日本全体からすると罹災する確立は低い・・・それにうちは高台だから大丈夫!(持ち家派)
倒壊や浸水して価値が無くなったら残るはローンだけ・・・賃貸で移り住むに限る!(賃貸派)
そんな時は火災保険!立地を選べばリスクは低い!・・・大家さん
結婚という習慣が薄れて生涯独身の方も増えています。
シェアハウスなど新しい生活のカタチも定着しつつあります。
●その時人々はどう考えるか●
いつまでもシェアハウスに住むわけない・・・いつかは自分のうちが欲しい!(持ち家派)
時代に合わせて住み方を変えたい・・・賃貸ならライフスタイルを変えれる!(賃貸派)
気に入ったら買ってもらってもいいよ!戸建を改造してシェアハウス作ろうか?・・・大家さん
どの論調になっても大家さんは『売る』か『貸す』の選択ができる物件を持っている限り大丈夫。
そのためには日本全体の人口が減っても構わないけど人がいなくならないエリアを選びましょう。
台風や地震、水害など自然災害には地形や地質により影響を受けにくいエリアもあります。
保険に入り必要な時に修繕費用を得られるように備えましょう。
ライフスタイルの多様化に対応できるようなエリアや物件を選びましょう。
衣食住は生活に欠かせない要素です。
必要とされる物件であれば売却にしろ賃貸にしろ選択できます。
大家さんも物件を売って手持ちの物件の入替を行っています。
徐々にエリアや用途の変更をしたり、小物物件をまとめて売却して駅前一等地を購入します。
時代と自分のポジションに合わせて組み換えを行う事で持ち家派と賃貸派のどちらのメリットも得られるのが大家さんだと思っています。
『特定技能』の外国人労働者の受け入れ制度はまだ十分機能していないように思いますが、いずれそれなりのボリュームの外国人の方が日本に来ると思います。
その受け皿には賃貸住宅が必要な事は想像に難くありません。
人気の無くなったニュータウンの公団がその解になるのかも知れませんが、もっと複雑な気もします。
国や地域によって文化や宗教が違います。宗教が違えば生活様式は私たちが想像する以上に違うかもしれません。
キリスト教色の強い国の方は教会が近くにある事もメリットと考えるようです。
これからの国籍まで含めた多様化時代には、いままで以上に柔軟に物件を『仕上げる力』が必要になると予想しています。
日本から持ち家派がいなくなり、賃貸派ばかりになれば大家さん天国は間違いないでしょう。
私も兼業大家さんをしていて、子供たちの住む家は将来的にも見通しがたったので少し気持ちに余裕ができました。
次は農業との兼業をしながら食料確保ができればほぼ生活に困る事がなくなるのでは・・・などと想像しています。
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