試験から合格発表までの期間
行政書士の試験は毎年1回、11月上旬に開催されます。
合格発表は1月下旬と3ヵ月弱の期間があります。
(ネット上で合格発表が行われた日に合否通知が郵送され、部門ごとの得点が分かります。)
記述試験があるとしてもなかなかの長さです。
試験は午後にマーク式、記述式を3時間の試験時間内に併せておこないます。
当日夜には各予備校から速報解答が出るのでおおよその点数はその時点でわかります。
答え合わせをしたい人は問題用紙にマークをしながら解くことをおすすめします。
記述部分を解答全部を転記する時間が無い場合はポイントだけでもメモしておいてください。
予備校の解答速報で答え合わせ
試験では多くの人が時間に余裕がありません。
特に記述問題は考えれば考えるだけ時間がかかるので、よほど実力のある人でない限り見直しをしている間に試験が終わってしまうでしょう。
夜にネット上で無料公開される解答速報を3校程度で見比べて自己採点しますが、試験中にマークミスをしている可能性も十分にあるので、要注意です。
記述についても模範解答例を公開していますが、その年によって部分点の付け方に強弱があるように感じました。
行政書士試験については絶対評価(極論をすれば180点を取れば全員合格する)のはずなので、部分点の付け方が開催年ごとに異なるのは絶対評価とは言えないためネット上では批判も聞こえます。
記述部分の得点は合格発表まで全く判らない仕組みなので○○点~△△点と自己採点します。
記述抜きで180点以上の方
もちろん一般知識での足きりをクリアしている場合ですが、このケースが最も望まれます。
前述の通り記述式の部分点はミズモノで、安定して点数を取れる人は限られていると思われます。
マークミスも考慮して180点以上であれば年末年始をココロ安らかに迎える事ができるでしょう。
このレベルの人は司法書士試験の準備中の方が多いようです。
多少マークミスをしてもこのレベルの人なら記述が0点という事はないでしょうから開業準備や次の資格に向けてのステップに進んでください。
記述の自己採点を加えても180点に満たない方
私の受験初年度がこのケースでした。
試験当日の夜なので、興奮もしているでしょう。
その日の勢いでは『来年は必ず合格してやる』となっている人が多いと思います。
一旦冷静になって『本当にもう一年やるのか』を考えてください。
標準的な勉強時間が1,000時間と言われていますが、時給換算(1,000円とした場合)したら100万円の投資となります。
独学だからテキスト代でせいぜい1万円と受験料という訳ではありません。
次の1年間で得られるはずの経験や社会的地位の向上もフイになるかも知れません。
その事をよく考えたうえで早急に結論を出してください。
次の試験まで1年を切っています。できるだけ早い再起動が翌年の成果に結びつきます。
私は即日で通信教育の申込をしました。
その時は『くやしさ』の勢いで申し込みましたが、しばらくしてから冷静でなかった事を自覚しました。
結果論として翌年に合格できたから良かったのですが、今では反省しています。
記述次第では180点クリアするかもしれない人
受験2年目がこのケースでした。
マーク式で170点以上ありましたが、マークミスの可能性を考えると安心はできませんでした。
Youtubeやブログなどで行政書士試験について扱っている人の声では『今後は記述抜きで180点を目指す必要がある』という意見も多くみられます。
1月下旬のネット上での合格発表までは合・否のどちらのケースにも対応できるようにしなければなりません。
部分点の付け方によってはもしかして満点貰えるかも知れないので、マーク式で150点台の人も逆転の可能性があります。万が一記述0点ならマーク式で178点で獲得していても不合格となります。
おそらくこのケースに当てはまる人が一番多いのではないでしょうか。
以降はこのケースについて記述していきます。
自己採点から合格発表まで
記述次第で180点クリアするかもしれない人はまず落ち着いてください。
合格発表までは3ヵ月もあります。
不安で狼狽する日もあると思います。
でも、ネット上で発表があるまでは誰も本当の事が分かりません。
私は没問の可能性と記述の部分点や論点について合格発表の前夜までネット上を彷徨っていました。
ブログやYoutube、Twitterで意味もなく情報収集だけしていました。
これらは結局のところ合否には全く影響ないのです。
気にはなりますが、できれば見ない方が良いです。
さて、今になってから言える自己採点が終わってからすべきこととは、2パターンについて平行して準備する事につきると思います。
不合格だった場合
1月下旬の合格発表で不合格だった場合、もう一度チャレンジするのかあきらめるのかを考える必要があります。
前述の通り、100万円以上の投資をするのですから十分にご自身の環境に合わせて検討してください。
私は兼業大家として一応の生活の基盤を整えているので、再チャレンジを前提にしました。
合格までの日数(場合によっては年数)や合格後に得られるもの(廃業率も高いと聞きます)を考慮して、撤退を選ぶ事も必要な選択肢だとおもいます。
再チャレンジする場合は出来るだけ早く再スタートした方が良いでしょう。
受験前に詰め込んだ条文や判例、過去問などは数日したらどんどん忘れていきます。
翌年には多少法改正や判例で変わることもありますが、ひとまず同じ問題集や六法を使って継続してください。
特に憲法など変わらない部分やもともと読込が足りていない会社法などを中心に忘れない事を中心に毎日継続してください。
年内には翌年用のミニマム六法や肢別過去問集が発売されるので、ネット予約しておけばよいでしょう。
私は1月下旬の合格発表までに新年度用の肢別過去問集は3周し、ミニマム六法も行政法、民法中心に素読を進めていました。
受験後の六法素読では今まで見落としていた事をいくつも発見できたので良い経験です。
受験時の完成度の低さを痛感したのは当然ですが、今後も必要なことだと思います。
合格発表までに過去問3周すれば弱点は既に見えているので、不合格だった場合は公務員試験用の問題集などで違う角度から勉強するつもりでした。
合格だった場合
合格だった場合にも備える必要があります。
私はすでに50才を過ぎており、20代や30代のように時間的に長くありません。
できるだけはやく開業して一定の成果をださなければなりません。
その為の準備を始めます。
まずは行政書士は何ができるかを調べます。
そして自分でできそうな種類を選び関連書籍を購入しました。
行政書士は合格してから研修などなく、そのまま先輩方の戦っている戦場に放り出されます。
経験値がゼロなので開業までにどれだけ知識を増やし、営業方法を見つけるかが勝敗を握ると思います。
また、将来のライバルとなる先輩行政書士の方のHPをできるだけ多く拝見させて頂き参考にします。
関連書籍についてはまだどれが良いかの判断ができる状態ではないのでおすすめ書籍はありません。
開業に向けて詳しく解説されているサイトはほんとうに助かります。
合格発表
1月下旬にネット上で合格発表が行政書士試験研究センターで行われたのちに合否通知書が郵送されます。
ネット上での発表は受験番号だけなので、なんとも心もとないので合否通知の合否区分に『合格』とあれば安心です。
まとめ
試験が終わってしばらくはゆっくりしたいところですが、私たちが受験しているのは膨大な知識を必要とする資格試験です。
試験が終わって再チャレンジを決意した人も記述待ちの人も毎日六法素読や問題集の日課を続けて合格発表の日を迎えてください。
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