50才からの行政書士受験

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行政書士試験受験票 独立・脱サラ
独立・脱サラ行政書士資格
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行政書士とは

行政書士は受験要件に年齢、学歴等の制限がない国家資格です。
他人からの依頼を受けて官公庁に提出する許認可申請書類の作成と提出などが主業務となります。

行政書士とは | 日本行政書士会連合会
行政書士は、行政書士法(昭和26年2月22日法律第4号)に基づく国家資格者で、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する許認可等の申請書類の作成並びに提出手続代理、遺言書等の権利義務、事実証明及び契約書の作成、行政不服申立て手続代理等を行...

受験に際して

私は大学で理学部を卒業後、大学院修士課程で理学専攻科を中退しています。
その後、法律関係とは関係のない父の事業を引き継ぎました。
40代最後の年に宅建士、賃貸不動産経営管理士に受験・合格したのが最初の民法との接点でした。
それまで法律関係の経験はなく、50才の法律初学者でのスタートです。

行政書士を選ぶ

宅建士受験を通して民法に興味をもち、関連資格について調べていると約1000時間が目安で受験制限もない行政書士に行き当たりました。
不動産賃貸業をしている者からすると司法書士は身近でも行政書士は全く知識がありません。
調べてみると外国人の滞在許可申請や遺言、農地転用許可など賃貸業にもつながる可能性がありそうです。
一方司法書士は3000時間はかかりそうです。当時サラリーマンだった私には1日10時間で300日≒1年というのは非現実的であり、50を過ぎてから受験→合格→開業に漕ぎつけるまでに時間がかかりすぎと判断しました。

1年目

初年度は宅建士の登録などが終わった4月ごろから始まります。
サラリーマンだったので通勤時間と寝る前が勉強時間です。
朝の通勤時間には通信教育会社のYoutubeチャンネル(無料)をスマホで聞きながら寝ながら出社です。
帰りの通勤時間はテキストを読みました。初学者向けのおすすめサイトの書籍でしたが、私の結論としてはおすすめしないので紹介しません。
寝る前もテキスト読み込みが中心でした。

テキスト読込はつまらないので、さぼりがちになってしまし、おおよそ8月くらいまでかかりました。この時点で初年度は記念受験となる事がほぼ確定していました。

行政書士の試験は11月初旬ですから8月からは残り3ヵ月です。
気を取り直して一発合格目指して問題集に取り掛かりました。

この他、ケータイ行政書士40字記述の3冊で受験に臨みました。
ケータイシリーズは通勤中、合格革命は寝る前に使い分けました。
記録では合格革命基本問題集は5回転して受験したようです。

この年の勉強時間は通勤時も含めて300~500時間だったと思われます。
仕上りとしては行政不服審査法と行政事件訴訟法の区別がついていない状態での受験です。

結果は惨敗でした。

択一84
記述12
一般知識36
合計146

一般知識の足きりは24点なので特に意識はしていなかったのですが、基本である択一の不出来が基本の欠如を物語っています。
合格ラインは300点中180点ですので34点の不足なので約1割足りない計算ですが、現実的には相当なギャップを感じました。

2年目

試験当日の夜には各予備校から模範解答速報が出ます。
もしやと思いながら数社の解答で答え合わせをしますが、150点に満たないのはほぼ確実のようです。記述は部分点があるので1月後半の結果発表まで正確には判らないのが現実ですが、部分点が満点でない限り合格はあり得ません。

受験当日夜に通信教育を申し込みました。
Youtubeで見ていた無料講座がきっかけですが、効率的な学習法『非常識合格法』と早期割引が決め手でした。

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初年度にふんわり全体像は把握できたので、2年目は基本をはっきり理解することを目指しました。
法律は読んでいても意味がわからない事が多く通信のDVD講義を聞いてはじめてわかる事や、意味の取り違えに気づく事もありました。もちろんYoutubeで条文や判例ごとに調べる事も必要です。

2年目は春から新型コロナによる影響もあり、サラリーマンを退職しましたが、朝の通勤時間は通信のDVDをスマホで聞いていました。
特に民法改正の影響が出る年度なので通信の早期申し込みで早めに民法改正点の集中講義を聞けたのが良かったです。
帰りの時間はケータイシリーズの六法を素読、帰宅後は通信のDVD講義を中心に進めました。
この時期はまだ帰宅後の時間が思ったように取れず、合格革命肢別過去問集は進んでいません。

春にサラリーマン退職してからは朝2~3時間を通信による講義や過去問をこなし、午後は合格革命肢別過去問集を1日100ページを日課としました。
肢別過去問集は約900ページなので土日もできる限りコンスタントに日課をこなしました。
記憶では8月のお盆あたりで8周目に入っていました。
ベッドに入って六法を読みながら寝落ちする毎日です。

サラリーマンを退職して時間が出来たので8月ごろから合格革命の千本ノックをルーチンに加えました。
肢別過去問集には無い問題なので理解が深まる事は確かですが、あくまで肢別過去問集を中心にすすめました。

最終的に2年目は肢別過去問集は全体として11周(直前期は間違えた部分重点で別途数周しています)、千本ノックが8周で試験を迎えました。

問題集を漫然と繰り返しても覚えきらないので肢別過去問を5周までに直近3回間違えた問題を情報カードに1問ずつ転記して裏面に解答と関連メモを作りました。

結局肢別過去問集で3冊、千本ノックで1冊、その他おまとめで1冊の5冊できてしまいました。
この方法は作る時点でそれなりに覚え、理解できるのとつまづいた問題だけ残して覚えた問題はファイルから外せば濃密なファイルができる事です。
情報カードには十分なスペースがあるので解答以外にも関連事項や関連問題のメモを残せます。

受験直前期の10月に入るまでは上記のルーチンが基本で進めました。
記述について心配していたのですが、通信のクレアールから記述対策のテキストが送られて来ました。各論点ごとに設問があり、約300ページ(約150問)のボリュームで最後1週間くらいはこの問題集を1日100ページ、肢別過去問集を100ページ、その他時間を六法素読にあてました。
記述問題を解くことは択一の知識がうろ覚えだと歯が立たず、択一の復習にも効果的でした。
もっとも択一ができないのに記述を解くことはできないので、まずは択一の肢別過去問集の完成が最優先です。

この年の勉強時間はおよそ800~1000時間と思われます。
サラリーマン退職後の平均は1日4~5時間、直前期で5~7時間だと思います。

受験と合格

令和2年の11月に行われた新型コロナの緊急事態の解除中に実施された試験はおそらく主催者側も大変だったと思います。
例年の会場が使えず、席も間隔をあけての実施でした。
試験は13時から16時までの3時間と長いため、集中力の持続が重要です。
私はレッドブルを直前に飲んで受験しました。
試験会場が大きくトイレが込み合う事が予想されたので、事前にこまめにトイレに行きました。
直前で慌てない事が大切です。

試験自体は滞りなく終了しました。
択一を終わらせてから記述にはいる計画通り進めましたが、記述が予想以上に???だったので時間がかかりました。おかげで択一の見直し時間が少なく、見直しで読み違えしてしまい数問誤解答に変更してしまいました。
結果択一で174点と微妙な点数にしてしまい、『記述待ち』の状態に突入です。
この年は没問発表が無かったのですが、ネット上では択一の複数回答や記述の詐欺VS錯誤など発表までは落ち着く事なく過ぎました。
発表当日はネットで発表ですが、込み合ってなかなか繋がりません。
ようやくつながったので自分の番号を探しますが全くありません。
半泣きになりそうになりながら、よく見ると昨年の発表がキャッシュで表示されているではありませんか。
久しぶりにF5アタック(リロード)を繰り返して当年の合格者リストが表示されました。
無事に自分の番号を見つけた時は何度も確認したのちに脱力しました。

一般財団法人 行政書士試験研究センター

行政書士受験勉強で大切なこと

私は過去問と六法の素読を中心に進め、最後に記述対策で復習というスタイルでした。
いわゆる過去問重視の勉強法です。
現実的には過去問(合格革命肢別過去問集)だけでの行政書士合格は厳しいと思います。しかし問題の3~4割程度は過去問(あるいは過去問ベース)の問題が出題されます。また、過去問が解けずして未知の問題を解けるはずがありません。
未知の問題には六法素読である程度カバーでき、記述対策にも六法の読込は有効と感じます。
行政書士を通過点して司法書士、社労士受験を視野に入れている人でなければあまり手を広げるのは得策ではないと思います。
賃貸業をしているので、サラリーマン退職後はリフォームなどで半日過ごすなど集中できない反面、気分転換ができたのも幸運だったと思います。
年間1000時間確保は意外と大変な事です。継続する為には気分転換が必要です。
ダメな日もありますよ。でも翌日には少しでもページを進めてください。
膨大な量なので覚えたはしから忘れます。そのために過去問を繰り返すのです。
忘れる量<覚える量を耐えきった後に合格が見えると思います。

さいごに

大学は理学部に進学したのですが、実は高校では文系コースを選択していて文系の学部は全滅したので文系崩れの理系なのです。
経済学部、経営学部、法学部を落ちたうえで理学部に行きました。
地学が好きだったので大学では岩石鉱物学を専攻しました。
父の事業を引き継いで実体として経済や経営を経験し、最後に残った法律についてやってみたくなったのです。
10代の頃に興味を持った分野を数十年かけて一通り経験できる幸運に感謝します。

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