古い物件を購入するとチャイムが取り付けられていることがあります。
50代の私は昔懐かしい『ピンポン』として馴染みが深いのですが、若い方は???かも知れませんね。
玄関のボタンを押すと室内の親機が『ピンポーン』と鳴るだけの設備です。
さらに原始的な『ブー』と鳴るだけのブザーなんて物もありました。
現代では防犯面を考えると女性だけでなくモニターフォンは欲しい設備の一つです。
と言うよりほぼ必須ですよね。
そこで大家さんは入居者募集をかける際に取り替えを迫られるわけです。
ホームセンターに行くと工事費込みでだいたい2万円くらいでしょうか。
ネット通販では1万円未満で入手できるのでスイッチやコンセントの交換と併せて自力で取り替えたい設備のひとつです。
チャイムやブザーは音が鳴るだけの機能なので天井付近の壁に取り付けられている事が多いのです。
しかし同じ位置にモニターフォンを取り付けることはできません。
モニターを見たり、ボタンの操作をするには床からの高さが1.4メートルあたりに取り付ける必要があるからです。
また、チャイムは廊下に取り付けられている事もあり、取り付け位置の変更が必要になります。
ここで簡単に構成を説明します。
まず100Vの電源が屋内親機に入り、親機側の画面や記録に必要な電源を確保しています。
次に親機と屋外の子機(ボタン)の間に2本の電線で繋がっており、カメラや音声の信号と電源の供給をしています。
チャイムやブザーは音が鳴るだけですが、100Vの電源が親機に入り、子機(ボタン)には2本の線で繋がっている構成は同じです。
そこで同じ場所に取り付けるならできるだけ既存の線を利用してモニターフォンに電源を接続し、屋外子機とは既存の線を付け替えるだけで作動します。
私が愛用しているパナソニック製のモニターフォンは電源ライン、信号ラインとも極性が無いことが多いようです。
問題は親機を別の場所に取り付ける場合、旧親機からの位置まで電源ラインと信号ラインの配線です。
1メートル程度の距離なら電源用VVFケーブルの硬さを利用して通線できるのですが、意外と思うようにいきません。
そこでコレ!工事屋さんがよく持っているグルグル巻きのケーブルです。
通線ワイヤーといって文字通り線を通すためのワイヤーです。
本来はCD管と言われる電線を通すための管の中に電源ラインを通すためのものですが、古い木造戸建てではケーブルがそのまま配線されています。
管が無くても方向を決めてぐりぐり送り出すと・・・なんとか届く事が多いです。
私は今のところ幸運にもなんとかなっていますが、保証は致しかねます。
いろいろなメーカーからいろいろな長さや材質が出ていますが、用途的にはこの長さで過不足無しです。
もし田舎の巨大古民家を扱うならもしかすると・・・とは思いますが、その場合は屋根裏で中継すれば対応できると思います。
ここでひとつ絶対おすすめなのが収納ケースは必要です。
あれが無いと片づけるにも作業するにも邪魔で仕方がありません。必ず同時購入してください。
さて、ケーブルの使い方ですが旧親機の取り付け穴から新親機の取り付け穴へ通線したら良いので、どちらから挿入しても構いません。
最初の方向性が大事ですが、あとはケーブルの気の向くままぐりぐり送り出して運が良ければ(?)通線です。
もちろん新-旧の距離が長ければ成功率は下がり、角を曲がれば困難を極める事もあるでしょう。
そんな時は天井に点検口を作り、一旦天井裏を経由する事で解決できます。
点検口を開けた勢いでダクトレールやダウンライトにしても良いでしょう。
一旦ケーブルで通線できたら、その先端(もしくは末端)に電線VVFや通信用ケーブルを絶縁テープでグルグル巻きにします。
途中で外れたらその日の作業は中止するくらい萎えるので頑丈に巻きます。
ケーブルと電線類の準備ができたら電線類が引っかからないように送りだしながらケーブルを引っ張ります。
順当にいけばケーブルの先に電線類が見えて通線成功となります。
途中で引っかかった場合は慌てずに30~50センチくらい戻して何度か試してください。
むきになって引っ張ると電線類が置き去りになります。
中古住宅のリフォーム作業は毎回違うシチュエーションなので経験値が上がること間違いなしです。
通線ワイヤーをたすき掛けにしてチャリンコで現場に向かう自身の姿を想像してください。
行きかう人はあなたの事を『プロ』だと思う事でしょう。
ただし、電源直結型のモニターフォンの設置は電気工事士の資格が必要なのでご注意ください。資格をお持ちでない方はコンセント式のモデルもあります。