マイソク用写真のカメラ設定

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なぜ室内撮影は難しいのか

自分でマイソク用の写真を撮ってみたら、暗かったりブレていた経験はないでしょうか。
便利なフルオートモードですが、室内撮影では思うような結果にならない事が多いと思います。
フルオートモードを利用しながら、ちょっとした手間を加えることで見違えるような写真が撮れます。

少し難しい話から入りますが、写真には光が必要です。
光の量は屋外にくらべて室内は明るく思えても少ないものです。
だいたい1/10くらいの光量しかありません。
光の量を写真撮影ではEV値(exposure value)という単位で表します。
一般に快晴の屋外でEV15、曇りの屋外でEV12ですが、明るい室内でもEV9程度しかありません。
この数値は1つ変化するごとに光の量が半分になると思ってください。

3つの設定できれいに撮れる

ではこのように光の量が少ない状態でお部屋の写真を撮るにはどうしたらよいでしょう。
光の量は自分では決める事ができませんが、カメラにはコントロールできるあと3つの要素があります。
1.シャッタースピード
2.レンズの絞り
3.ISO(感度)

この3つの設定を使う事で思うような写真が撮れるようになります。

光の量の説明をする時に、蛇口と水量の関係がよく使われます。
写真の入門書にもよく出てくる話です。

カメラは光を受け止めて記録する機械ですが、必要な量の光をためると言い替えることができます。
バケツいっぱいの水をためるときとに置き換えて説明します。

蛇口を長い間開くと水の量は増えます。=シャッターを長く開くと光の量が増えます。
蛇口を大きく開くと水の量は増えます。=絞りを開けると光の量が増えます。
水圧を高くすると水の量は増えます。=ISO(感度)を上げると光の量が増えます。

シャッタースピード

カメラはレンズを通して入ってくる光を記録する機械ですが、シャッターボタンを押した時にシャッターが動いて光を受け止める構造になっています。
光の量が多い時には短く開き、暗い時には長く開きます。
室内では明るすぎることはあり得ないので、シャッタースピードは長めになると思います。
ところがシャッタースピードが長くなると手ぶれの危険が増えるので限界があります。
この限界は技量や機材によっても変わりますが、ワイドレンズを使っても1/30秒以下は避けましょう。

絞り

レンズの絞りを開く事によって光の量は増えます。
高価なレンズほど開放絞り値が小さく(=レンズ口径が大きい)なりますが、ワイド側のズームレンズは4や5.6あたりが普通でしょう。

絞りを開放にするほど光の量は増えますが、ピントが合う範囲が狭くなります。
ポートレートや花のクローズアップ写真で背景がボケた写真を見たことがあるでしょう。
山などの風景写真を撮るときには全体にピントをあわせるために絞り値を大きくするでしょう。
マイソク用写真はできるだけ全体にピントが合う方が良いので開放値より1段は絞りたいです。
一般的に開放値より1段絞る事で各種の収差の影響が少なくなると言われています。

ISO(感度)

昔のフイルムカメラは光を当てると化学変化を起こすフイルムを使っていました。
このフイルムに塗ってある薬品によって光に対する感度をコントロールしていました。
現在のデジタルカメラでは受光したデーターの増幅によって同じ役割を果たしています。
ISO(感度)の数値を上げる事によって増幅率が上がります。
増幅率が上がるとデーター上のノイズが増えるので画質には悪影響を及ぼします。
現在のカメラは性能が上がっているのでISO値が800や1600あたりは十分実用範囲でしょう。

明るい室内がEV9とすると私の使用機材では絞り値が4.5からなので5.6を使うとすると1/60秒で撮影する為にISO800となります。
もちろんカメラのPモードやフルオートモードに露出補正を組み合わせる方法もあります。

キッチンセットを撮影する場合に、角度や距離を変えながら何ショットも撮るときにはマニュアル設定の方が効率が良い場合もあります。
なぜならオートモードでは『撮影したいポイント』の光の量は変わらないのに全体のバランスを考えるからです。
『撮影したいポイント』以外の場所の明るさに影響を受ける事になります。

実際の撮影の手順

1.Pモードやフルオートに設定します。

メーカーによって表示が違いますが、Pや緑色の四角が一般的です。

2.カメラで測光する

『撮影したいポイント』が画面いっぱいに入るようにしてカメラに表示されるシャッタースピードと絞り値、ISO(感度)を調整します。
 ※前述のとおり、シャッタースピードは1/30以上、絞りは5.6以上に収まるようにISO(感度)を合わせます。

3.Mモードに変更して先ほど確認した設定に変更します。

『撮影したいポイント』に合わせた絞りとシャッタースピードを固定します。

これで同じキッチンセットや洗面台をどの角度、どの距離から撮影しても同じ明るさで撮影できます。
室内を撮影する場合、窓からの光の影響を大きく受けます。
窓が適正露出になって、肝心な洗面台が薄暗くなってはいけません。
洗面台やキッチンは少し露出オーバー気味にして、窓は真っ白になるくらいがちょうど良いです。

光量・シャッタースピード・絞りの関係

下にISO800の時のシャッタースピードと絞り値に応じたEV値の表を参考にすればおおよその感覚が掴めるとおもいます。

1.422.845.6811162232
1/2EV1EV2EV3EV4EV5EV6EV7EV8EV9EV10
1/8EV2EV3EV4EV5EV6EV7EV8EV9EV10EV11
1/15EV3EV4EV5EV6EV7EV8EV9EV10EV11EV12
1/30EV4EV5EV6EV7EV8EV9EV10EV11EV12EV13
1/60EV5EV6EV7EV8EV9EV10EV11EV12EV13EV14
1/125EV6EV7EV8 EV9 EV10EV11EV12EV13EV14EV15
1/250EV7EV8EV9EV10EV11EV12EV13EV14EV15EV16
1/500EV8EV9EV10EV11EV12EV13EV14EV15EV16EV17
1/1000EV9EV10EV11EV12EV13EV14EV15EV16EV17EV18
1/2000EV10EV11EV12EV13EV14EV15EV16EV17EV18EV19
1/4000EV11EV12EV13EV14EV15EV16EV17EV18EV19EV20

マイソク用写真はご自分のイメージをお客さんに伝えるのが目的なので、必ずしも適正露出が良いわけではありません。別記事の『白いキッチンを白く写すには』もご覧ください。

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